遺産相続について

正しい手続きで、不安解消。相続が起こる前も、起こった後も・・・
必要な手続きを助言・代行、遺産相続の『争続化』を予防・解決します。

住まい、土地、預金、車、株、生命保険、そして借金も、これらは全て相続財産です。「うちは資産家ではないので、遺産相続で問題なんか起きるわけがない」と思っている方も多いのですが、「何がどれだけあるかわからない」、「遺族だけでは話がまとまらない」、「看病してくれた息子の嫁に家を譲りたい」、「住まいは相続したいけれど、借金までは引き継ぎたくない・・・」など、ほとんどの方が何らかの形で相続問題に直面します。

●親族が亡くなった。相続にあたり必要な手続きは?  
●家族や大切な人に、確実に意思を伝えたい
●借金まで相続したくない

遺産分割、相続財産の分配

相続人の調査

相続人の調査のためには、多くの戸籍謄本等を取得する必要があります。古くからの戸籍等を確認しなければ、全ての相続人を確定する事が出来ないため、銀行などの金融機関に預金の相続の手続きに行った場合に、大変な思いをされた方もいらっしゃると思います。その中には、原戸籍(戸籍を改製した際の元の戸籍)、除籍(死亡・転籍などで誰もいなくなってしまった戸籍)など普段聞き慣れないものも必要であり、相続人が多数の場合には、膨大な数の戸籍が必要となることも・・・。なお、不動産の登記が必要な場合にも、法務局に戸籍の提出が必要です。

遺産(相続財産)を誰がどのように受け取るのかを決める。

1.法定相続分で分ける。

相続人には民法に定められた相続分が決まっています。たとえば、相続人が故人の配偶者と子供2人なら配偶者が2分の1、子供2人がそれぞれ4分の1ずつを分けるという事になります。この法定相続分というものは相続手続きの上では一番の基準になる重要なものですが、実際に遺産を分ける際には厳密にこの基準通りに分けているケースはむしろ少数かもしれません。なぜなら、相続財産に不動産が含まれる場合、不動産を多くの相続人の共有にすることが望まれない場合も多いですし、車やゴルフ会員権など、はっきりと分けることが難しいものもあるからです。従って多くの場合は、次に述べる遺産分割協議を行った上で遺産の分配をすることになります。

2.遺産分割協議を行って分ける。

誰がどのように遺産(相続財産)を受け取るのかを、相続人全員の話し合い(同意)によって決めるのが遺産分割です。遺産「分割」というと法律用語で少々分かりにくいかもしれませんが、遺産「分配」と言えばイメージしやすいかもしれません。
遺産分割協議書の書式は様々ですが、全員が実印を押印し印鑑証明書を添付して作成する必要があります。

※遺産分割こんなときは・・・

・相続人の一人がすべての財産を受け取りたい
→遺産分割協議によって相続人全員の同意があれば財産の分け方は自由です。

・故人の遺した遺言書の内容と違うかたちで財産を分けたい
→遺言書があっても、相続人全員が同意すれば遺言書と違う内容でも構いません。

・相続人に認知症などで協議が出来ない人がいる
→協議ができない方に後見人等の代理人をたてて 、遺産分割をする必要があります。

・相続人の一人が行方不明
→裁判所に申立て、不在者財産管理人を選任してもらい 、遺産分割をする必要があります。長年生死不明の状態であれば失踪宣告という方法をとる事も考えられます。

・相続人間で話し合いがまとまらない
→裁判所に調停を申立てて協議する方法が一般的です。それでもまとまらなければ、審判手続きに移行します。

3.遺言書に従って分ける。

故人が遺言書を遺していた場合には、遺言書の内容に従って遺産を分けることになります。なお、遺言書と違う内容の遺産分割協議を行うことも可能です。

※遺言書こんなときは・・・

・遺言書が故人の自筆で書かれている
→家庭裁判所で検認手続き(遺言書の形式チェック)をしなければなりません。
なお、遺言書に封がされている場合は開封せずに裁判所に持参します。

・遺言書を作ったと聞いていたのに見つからない、あるかどうか分からない
→作成した遺言書が公正証書であれば、公証役場で検索が可能です。

・遺言書を開けてみたら、自分にまったく相続分がない
→遺言書に書かれている内容が相続人の最低限の相続分を侵害している場合は、遺産を受け取った人への遺留分侵害額の請求が可能です。遺留分請求の時効は、侵害があることを知ってから1年(又は、相続開始時から10年を経過した時)です。

遺言書作成 ~確実な遺言を残したい時。

自分の財産をどうして欲しいのかを遺言として書き残しておけば、「特定の人に財産を残したい」時、「残された家族が争わないように自分の意思を伝えたい」時に安心です。遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、法的に効力のある遺言とするためには、一定の要件を満たさなければなりませんし、相続の際の様々な手続きの負担を軽くするためにも、司法書士への相談をお勧めします。

こんなときには、特に遺言書の作成が有効です。

・行方の分からない子供がいる場合

・自分の子供同士が不仲である場合

・配偶者・子供がおらず、相続人となるのが疎遠な兄弟や甥姪になる場合

・自分の相続人が誰もいない場合

・息子が先に死んでしまったが、息子の嫁にも遺産を残してあげたい場合

相続放棄 ~マイナス財産(借金など)を相続したくない時。

相続財産には、借金なども含まれていますので、親が残した借金を支払わなくてはならない事も起こり得ます。このようなマイナスの財産を引き継ぎたくない場合は、相続の開始を知ってから3ヶ月以内に相続放棄の手続きをしなければなりません。なお、親が知らないうちに連帯保証人になっていて、死亡して3ヶ月以上たってから突然請求がきた!といった場合にも相続放棄が認められるケースがありますので、ご相談ください。
住まいや、預金、株などプラスの財産と、借金などのマイナス財産のどちらが多いのかすぐには把握が出来ない場合には限定承認という手続きをすることも可能です。